アイテムどんどん増える
Tシャツ、のぼり、缶バッジ、どの発注先も、問い合わせたところ、納期はギリギリなんとか間に合いそうだった。キャラクターの大まかなデザインはすぐにできた。
悩んだのは、Tシャツの色と、それにマッチしたキャラクターの彩色だ。
今回Tシャツを発注することにしたシルクマスターさんは、WEBで色々調べた中で、国内で刷りをし、値段も手ごろだった。なによりも事前にTシャツや印刷のサンプルを送ってくれるというところが気に入った。WEBでの発注はサンプルが見れないのが一番のネックだと私は思う。
さて、わたしは最初、イベント用の安っぽい派手なやつではなく、誰もが普段着れるような、少しはカッコいいTシャツを作ろうと考えていた。竹の緑から、ベージュに濃緑色、濃緑色に白抜きあたりで、シンプルにまとめるつもりだった。そして何日かして、ベージュと濃緑色で何色かずつ、サイズも数種類のTシャツがサンプルキットとして届いた。で、非常に悩みだしたのだ。
というのも、届いたTシャツを、地域活動をされている年配の方に着ていただいたところ、不都合なことがわかった。地味な配色が、年齢にマッチしすぎるのだ。
「もうちょっと、若く見えるようにならんかな?」口には出さないけど、みんなの目はそういっていた。いや、正直に「老人ポイ」と口に出してしまう人もいたぐらいだ。
「誰でも似合う!をコンセプトにしてしまうと、結局ぼけた、意味のないデザインになってしまうよな〜」そんなことを考えながら、今回はターゲットを絞り込み、「ちょっと年配のおじさんが、元気に若ぶれる、少しハジケたデザイン」という風に大きく方向転換をした。いい年してトルネードに体中の肉を押し込んでいる私としても、実に感情移入できるコンセプトだ(笑)。
後は早かった。児童の登下校時に地域活動としてパトロールしている際のベストや帽子の色。活動の拠点となる小学校内のクラブハウスの椅子のクッションの色、植木などに遮られても認識がしやすい色、他の近隣団体がすでに使用している色など、行動調査を簡単に行い、可能性のある色をはじき出した。オレンジ系だ。
印刷色も少し悩んだ。シルクマスターのTシャツでオレンジ系は3色。タケくんはできる限りわかりやすく緑で刷りたかった。インクは予算を考えると通常色の中で何とかしたい。期待していた網も、実際は難しいらしい。試行錯誤が続く。緑とオレンジの間に両者を弱める役割の色を1色置かなければおさまりそうにない。
結局、背面を含め4色使う事になった。ずいぶん豪華な話だ。けれど、「良いものにしたいから」と地元の方たちには、予算面でずいぶんがんばってもらった。デザイナーとして、こういう応援・理解をしてもらうときが一番ありがたい。
例え、PCで最終の見本を作っても、布に刷った最終品は、できあがってみなければわからない。結局、デザインとは、そういうものが多いのだ。見えない段階で、デザイナーの仕事を信頼してもらうことは、本当に難しいことなのだ。
Tシャツのデザインが決まると、あとは簡単だった。のぼり、缶バッジの入稿はサクサク終わった。
あー終わった。後は納品時にトラブッた時の対応くらいかな?と思ったていたら、またまたメールが来た。
- おまつりのポスター
- お祭りの中の子供市場で使うお札
- エコバック
- ポストカード
アイテム大幅追加です(苦笑)
本当に3連休がたくさんあってよかった。
作業追加で、まだまだ続くのだ!
●「タケくん」シリーズ
- 其の壱「選考をたのまれた」
- 其の弐「言いだしっぺが、やるんだね」
- 其の参「アイテムどんどん増える」
- 其の四「何でもできると思ったら大間違い」
- 其の五「お祭り当日」