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今のところ無視

いつも楽しく拝読している「情報デザイン研究室」

ちなみにインタフェースなんてものは、彼らにとってはどうでもいいもののようです。「評価」なに?みたいな。成熟するのにはあと10年はかかるのでしょうか?

                              情報デザイン研究室<中国視察団>


これ、激しく、同意。(苦笑


中国に製作関連の業務委託をした経験から、彼らがインタフェースデザインの重要性をきちんと製品に反映させるレベルに達するには、まだ結構かかると思う。


例えば、現地で発行している新聞の文字組ひとつとっても、漢字とローマ字の混植をキレイにしようという意図が見えない。
何で、インタフェースデザインの話に新聞の話が出てくるかというと、コンピューター上のデザインの文法は、基本的に従来の印刷にまつわるデザイン理論を踏襲している部分が大きいんだよね。それが新聞という大衆的なメディアで一般的になっていないということは、社会全体のニーズとして顕在化していないことの表れなんではないかな。*1


さて、日本では、漢字+ローマ字と、全く生い立ちの違う文字をいかに美しく組むかということを大きな問題として捉え、デザイナーはそれに対して色々な工夫をしてきた。
結果として、欧米のマネだけではない日本独自のデザインを探求してきた歴史がある。
そういう意味で、日本が東京オリンピックを機に成し遂げたようなデザイン面でのステップアップを、北京オリンピックで実現できるかが今後の中国のデザインの成熟の動向を計る物差しになるんじゃないかなぁーと密かに考えています。


向うのデザイナーさんに、ドッツ ディズニーキャラクターズ ミッキーマウス BLACK&WHITE*2をお土産に買っていったり、携帯でゼビウスを見せたり、付きっきりで0.5ピクセルで描画する方法を教えたりとか個人的に色々工夫してみたんですけどねー。やっぱり、社会のニーズがあってのデザインなんじゃないでしょうか。


一方で、中国のスタッフの向上心やアグレッシブさには舌を巻くことも多い。文化大革命の影響で、現在30歳くらいまでの現役世代では、センスの面では確かに日本にアドバンテージが現状ではある。だが、開放路線以後の子供たちが現役になったときはどうなるだろうか?
さらに、デザインの重要性、つまりはそれが金になる事を見出したとき、簡単に日本を抜いていくような空恐ろしさもある。
そう考えるとあんまりなんでも教えちゃまずいんだけど、教えるのスキなんだよな、日本人て。


ただ「デザインが金になる」ということは、まだ、日本のメーカーでもきちんと定義されているというと、あんまり実感できない。
あぁ、そんな日は果たしてくるのだろうか。

*1:デザイン理論の基礎はデザイナー以外の人へのデザインのススメノンデザイナーズ・デザインブック Second Editionをご参照ください。ぼくは新人デザイナーには(最近はプログラマーにも)いつもこれを読んでもらっています。みんなあんまりちゃんと読まないけどね。

*2:http://dot-s.net/index.php 次に行ったときにはパンダを作ってモニターの上に飾っていた。