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酸辣湯麺

アンドリュー=ヴァクスのバーク・シリーズで、ママの店で身内にのみ振舞われる酸辣湯。以前からたいへん興味があった食べ物のひとつだけど、なかなか食べる機会がない。
最近どうもその酸辣湯をラーメンにした「酸辣湯麺」というものがあることを知った。
これもなかなか食べる機会がなかったんだけど、ついに食べたよ。


ロシアの映画を見たので、ロシア料理を食べに東急プラザへ行こうと思っていたんだけど、ふと目に付いた中華料理屋のドアを開けた。入り口にいる初老の方にたずねると、「サングハァタンメンだな。ちょっとまちなさい。」
最初は日本人かなと思っていたが、多分中国人のかたで多分お店の偉い人だろうと思った。
席に座って「酸辣湯麺」をメニューで確認したが載っていなかった。後で調べたのだけど、スーラータンメンとかサンラータンメンと発音するらしい。でも確かに濁った音があったんだよな。まぁ中国語っていっても色々あるしね。
初めて食べた「酸辣湯麺」は、スープが餡で、短冊に切った豆腐がのっており、麺は細いきし麺風だった。確かに辛くて酸っぱい。しかし、ぼくがイメージしていた味とは違った。
率直に言って、おいしいかどうかというと、正直あんまりおいしくはなかった。ついでに頼んだ小籠包*1もスープがあまり入っていなかったしね。ただ、ぼくは「酸辣湯麺」をこれからも色々な店で食べ続けるような気がする。


というのは、ぼくは子供のころから、読んだ本や映画などの物語に出てきた食べ物が食べたくてたまらなくなる癖がある。
日本で手に入りにくい食材を遠出して探し、自分で作ってみたりするんだけど、やっぱり何か違う。読後のイメージと実際の味が一致しない。あくまで架空の味なんだけど同一性が低いのだ。


そういうわけで、刑事コロンボに出てきたチリのせいで、ウェンディーズに行くといつもチリを食べてしまう。
こちらもそんなにおいしくはないんだけど、食べざるを得ない気がするし、探し続けているという行為へコミットし続ける自分に対して食後にささやかな満足がある。

*1:ぼくは上海でおいしい小籠包をかなりたくさん食べたので、小籠包に関してはかなりうるさい。