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PowerMate

PowerMate自体はずいぶん前に開発された入力機器だ。確か2003年?くらいには、とても優れたデザインの入力ツールとして各メディア取り上げられ、ぼくもちょっと欲しくなった記憶がある。
もともとMAC用に開発されたようだが、Windowsのドライバーもあり、きちんと動く。

何に使うの?

映像編集系のアプリケーションで、この手のサブ入力デバイスが結構便利なことに遅まきながら気がつき、ここ数年ぼちぼち入手しては試している。


1カット、1フレームづつキーを打ったり、調整をするような細かい手仕事は、膨大なショートカットキーを覚えたほうがはるかに効率は高い。「発想→指の反応→操作→目視→そしてまた発想」が一瞬で完了し、螺旋状にループするマン・マシン・インタフェースは、人械一体、棺桶サイズの至福のZONEだ。忘我。そこには明白な意識すらない。ささいな個人的実感としてそう思う。


細かなエディットはキーボードショートかとに譲る一方で、時間軸全体に対するオペレーション時には、こうした機器が能力を発揮するよう、経験的に感じる。
特に役立つのは最初に曲全体を聴きながら、どういうストーリーにするか考えながら色パカを切ったり、一通りの作業が終わり、全体を見ながら最終調整する場合だ。経験的に、この最初と最後にどれだけ時間を費やすかが、作品の質に大きくかかわってくる。そして、映像全体を自分の拡張した記憶媒体として操作する際、この手のアナログ系デバイ*1は実に有効に機能する。


人間の恣意的な操作を要求するタスクの方が、アナログ的な入力に適していることは何だか奇妙な気もするが、意識による介入とはアナログ変化とフィードバックが必要なのかもしれない。
無意識な操作のほうが、瞬間的に最終解に到達しており、ディジタルな処理に適しているのだろうか。

操作は次の6ファンクション

  1. クリック
  2. 押しながら→
  3. 押しながら←
  4. 長押し

4〜6はあまり実用的ではないかも。
なぜなら、押しながら←→は、押した瞬間にクリックを検知するので、クリックが暴発しやすく、事実上コンフリクトするのだ。これは感度調整で切り抜けれるかもしれないけど、ちょっと操作性が悪いかなぁと思う。
従って単に左右振って気に入ったところでクリックという位の使用方法が丁度良いのかも。

入手は

数ヶ月前は流通在庫がほとんどなくなっており新品での入手は難しかったのだが、現在はAMAZONを始め各所で購入が可能。平行輸入品が安いみたい。ぼくは数ヶ月前だったのでヤフオクで入手。ヤフオクでの相場は4,000円〜5,000円。出品者は想定した操作感と異なったので手放す例が多いようだ。
左右の入力はいい感じだけど、押すのが少し硬いかなぁ。
色はブラックメタリックもあるそうだ。シルバーの削り出しッぽい感じの方がぼくは好きです。


あと、AMAZONのレビューにもあったけど、ウィンドウズのスリープから戻ってきた際にエラーが出るよね。


#追記(2008/10/31)
ウィンドウズのスリープから戻る際に落ちるのは、USB接続がモニターのハブを経由しているせいと判明。モニターがオフになるとUSBへの電源供給が切れて認識しなくなるみたい。

*1:もちろん制御はディジタルである。手を介在した入力値の変移がアナログ的に行えるという意味だ。