tQy

WacomSmartScroll

ぼくの左手系サブデバイス遍歴の起点となる道具です。
まず、この入力機器は通常のトラックボールと大きく異なり、マウス、もしくはペンタブレットと併用して左手で操作することを想定しています。描画領域の拡縮、ペン先の太さ濃淡等の調整が、直感的に、つまり延長された身体性として実感できる。とても素晴らしい!
一方通常のトラックボールのように、ポインティングアローを操作することは基本的にできないのです。*1
WacomSmartScrollには2種類あって、どちらを使うか迷うところなんだけど、青い発光ダイオードのイルミネーションを楽しめるのは、小型の方。結構複雑なショートカットの登録が可能なファンクションボタンがたくさんある大型を選ぶ場合は、この青い発光がないことに注意。手に入れてから光らないと知るのはショックだしね。PowerMateを使用していて思ったんだけど、光るのが嬉しいのは最初だけで、だんだんうざくなるような気がする。操作性と関係ないしね。この青い光は、余分なアテンションを感覚に強いるので、道具としては良くないですよ。
ぼくは大きい方しか使ったことがないけど、これ、思ったより場所をとるのだ。だから、小さい方でもいいかもしれない。キーボードショートカットに慣れていると、案外ファンクションボタンは使わないものなので。ぼくはカスタマイズできるボタンがたくさんあるのが好きなので、大きいほうですが。


残念ながら、この商品もすでに廃番になっている。サブ入力デバイスはマーケットがニッチだから仕方ないよね。商品自体はたまにヤフオクなどに出ているので入手はそんなに難しくはないと思う。*2問題はドライバーが今後のアプリケーションのアップグレードに応じて、順次開発されることがあまり望めないだろうということ。ただそんなに心配をする必要はないのかもしれない。マルチプラグインっていう便利なものがあるからね。


マルチプラグインの詳細を述べる前に、ドライバーの構造について説明します。まず、この機器専用にOSごとのドライバーが準備されている。ここまでは普通。けど、しかしこれだけだとあまり役に立たない。実際は、各アプリケーションのバージョン毎のプラグインが準備されていて、ユーザーが好きなものだけアドオンする形なのだ。ア・ラ・カルトっていうわけですよ。
ちなみに純正で用意されているアプリケーションのプラグインは次のとおり。

Wacom公式サイトより

・・・最新版がないのは言うに及ばず、設定項目などを見ても、正直使えない・・・
それで上記以外のアプリケーション用に個人の方が作られたマルチプラグインというものがあるのです。このマルチプラグインがあれば、たいていのアプリケーションでのカスタマイズが可能。


ぼくが以前から使用しているのは、tamashaさんという方が作られたマルチプラグイン。ただし現在は公開されていないようです。また、肝心のトラックボール周りの設定では、上記の純正ドライバーの方がすぐれている場合も多々あります。そしてマルチプラグインの設定をファイルに保存することはできないで、ドライバーを入れ替えたり、アプリケーションのバージョンを変えるたびに設定しなおす必要があり、これがかなり面倒な作業なのです。特にあまり使わない裏側のファンクションキーに何を設定したか忘れてしまい、もう一度考えたりするのが面倒。そもそも、紙のメモやテキストファイルも探すのが面倒というわけで、このエントリーを書こうと思ったくらいなのです。


ただ、現状公開されていないということで、別のマルチプラグインを紹介しておきます。
ぼくは使ったことがないので、使用された方のブログをリンクしておきます。これも良さそうですね。


●関連サイト

○入力機器関連エントリー

*1:ただし専用ドライバーをインストールしない状態なら、通常のトラックボールと同じく矢印を上下左右に動かすことになります。もしくは、ドライバーでわざとそういう設定をした場合もそうなります。

*2:今は結構、高値になっており、入手が難しいそう。ここら辺の状況はすぐ変わるからなぁ。