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体験したことしか表現できない

一度崩れた生活習慣を、元に戻すのはなかなか難しい。久しぶりに12時に寝ても、夜中の3時には起きてしまった。
どうしても眠れない。やむなくHDレコーダーにたまったアニメを端から消化する。


アニメーションがゴールデンタイムから深夜へ移行し、その数が20を超えた状態になっている。とても全部を見れるものではない。そういえばゲームも同じ道を歩んだ。昔、友達と貸し借りすればたいていのファミコンソフトはプレーできたものだが、発売本数が増え無理になった。
アニメは期の始めに興味があるのを10本くらいざっと見て、気になったもの数本をさらに選んでボツボツ見ることにしている。YOUTUBE&ニコニコと、それへの対応としての無料動画サイトでの再放送もあり、見逃すのはさほど気にならない。

BLASSREITER

今期はマクロスFなど話題作が多かった。*1ただ、個人的にはBLASSREITER*2を楽しみに見ている。


何が良いのか?


とにかく動きが良い!


おそらくフル3DCGの主人公たちのバトルのモーションも、スピーディでかっこいいのだけれど、バイクや乗り物の動きが特に良い。確実にバイクに乗ったことのある人間が、意図してつけた演出が心地よい。思えば数年前にエア・ギアのアニメ化の際に、1話を見てものすごくガッカリしたものだ。インラインスケートに一度でも乗ったことがあれば、あんなモーションにはならないのは一目瞭然なので。

RollerBlade

ぼくは国内で発売したてのローラーブレードを入手し、毎日の通勤で使っていたくらい好きだったのだ。それはもう、ローラーブレードで地下街を走ったり、電車に乗ったりと、無茶をやったものです。その経験からすると、インラインスケートってものすごく路面の影響を受けるので、ちょっとのでこぼこでひどく揺れる。さらにいうと、路面がコンクリからアスファルトに変わると路面抵抗が急に増えて転びそうになるので、遠くから路面状態を観察する癖がつく。終いには、普通に歩いていても、スニーカーの靴底を通して、路面状態を確認する習慣にまで至る。そうして、どんなところでも走れるようになる。そういうもんでした。


そういう認知が体の中にあると、リニア(A点からB点まで均等の速度で移動)な動きは耐えられない。加速したり、減速したり、AfterEffectsでいうところのイージーイーズをもっと細かく調整しないと見ていてつらい。だいたい階段を下りるのとか、あんなに滑らかなのはありえないと虚脱感に陥ったものだ。


そういう視点からみてBLASSREITERの動きの演出は秀逸。さすがはぼくらの板野一郎。ミサイルの軌跡を研究するために海岸で大量に花火を打ち上げたり、メガゾーンのときは都内をバイク視点で詳細に撮影したり、逸話に尽きません。ウルトラマンネクサスなど一時は特撮の世界にいたんですが帰ってきたんですね。峠でのキャメラワークや重心移動の表現など見ていて実に気分がいい。

やっぱり視覚認知が重要

昨今の3DCG技術の進歩は本当にすごい。物理演算は人力では決して描けない世界を描画し、セル表現の進歩とあいまってますます3DCGはアニメーションに取り入れられていくと思う。
でも、3次元での空気抵抗や気流の動きの計算は、まだ今の計算機では無理。大体こんな感じでという方針を立てて作らざるを得ないと思う。
まぁそれでも、ツールの進歩でなんとなくできちゃうんだけど、できたものを見てどこが悪いか違和感を感じる力。その違和感がなくなるまで、「ある幅」の中で最適解に向けて試行錯誤を続ける気力。慣れてくれば、最初から「ある幅」の狭い、ピントの合ったものができるし、その後の試行錯誤も最小にすむ。それが熟練って事なんだと思う。


少しずつ、睡眠が規則的になってきて、体調が安定してきた。きちんと認知するためには五感を研ぎ澄ますことが重要。そのための体調管理。坂井三郎さんはさすがいいことをいうなぁ。

エクセレントモデル ブラスレイター エレア~Niθ Ver.~

エクセレントモデル ブラスレイター エレア~Niθ Ver.~

*1:見ていて非常になつかしい。

*2:ブラスレイターと発音する。読みにくいタイトルって損だと思う。