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右から左へ

普段右の腰につけていたポーチを反対側にしてみた。
このポーチには、社員証やIDカード、携帯電話、朝食のチケット、PiTaPaなどが入る。特に社内でフロアを出入りする際に必ず必要になるIDカードのために、マグネット付きのフラップをしょっちゅう開け閉めする。カチッカチッ。


こないだ新しいIDカードへ変更になり、部屋を出る際にもカードをセンサーにあてる仕様に変わった。しばらくの間は部屋を出る際にカードをあてるという事が無意識にできなくて、ドアノブをガチャっとして、「開かないや!?」と一瞬とまどった後、IDカードをあてる姿が散見された。(もちろんぼくもそうだった。)
それが2週間もしないうちに、激減した。というか、無意識でカードを出してあてて出ている。すごいね。適応だね。脳が何かを学習したんだね。


おもしろいので、前述のとおりポーチを左の腰に変えてみた。これがやっぱりとまどう。アラームがなると、左から聞こえているにもかかわらず、右手で、かつてポーチがあった右腰の辺りの空間をもぞもぞ探る。ここまでは反射的に行われる。一瞬後、ぶざまに腰を探る自分を客観的に気がつき、あぁ、と右手が不器用に左腰をまさぐる。いったい、左手で無意識に作業できるようになるまで何日かかるのだろうか。


ちなみに、腕時計を右手にはめるのに慣れるのには半年かかった。今でも非常に稀ではあるが、左手につけることがある。疲労しているときに多い気がする。たいていすぐに気がつくが。


腰に携帯をつけていると、着信の振動が時々あるんだけれど、携帯をつけていなくても、腸の運動でかすかな振動を感じて携帯を捜すことが良くある。身体性の拡張や再構築ははかくも容易なんだな。