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スクラッピングのススメ

新人デザイナースタッフや、会社のスクールのゼミの生徒さんに、スクラップブックを作ることを薦めています。WEBでたいていのイメージが検索できる現代でも、スクラップブックを自分で作る意味はデザイナーにとって大きいと思う。以下理由を3つあげてみます。

  1. 記憶の外化
  2. 高リファレンス性
  3. 自分の趣味の確認

記憶の外化

「体験したことしか表現できない」んだよなと、先日のエントリーで書いてみました。
デザイナーにとって、あるテーマの仕事が来たらそのテーマに沿った体験をしたり、色々資料を集めたりすることはとても大切です。でも、そんな余裕がいつもあるとは限りません。で、あらかじめ多様なジャンルの資料をスクラップしておくと役に立つかもネ。
というか、人間の脳は寝ている間ですらスイッチ切れないんだし、常に何かを体験しているはずなんだよね。けど、意識しないと、単なるノイズで終わっちゃうんで、こうしてスクラップするのはとても意味があると思います。
それと、手ではさみを使うっていうのもスゴクいいよね。位置を手と目で配分して、のりで貼ったりするのって、脳への刺激になって良いのではないでしょうか?

高リファレンス性

印刷するときにDICやSP、パントーンで指定するんですが、イメージにピッタリの色チップがないことって結構ある。そういう時、気に入った色で実際に刷った印刷物が1cm平方でもあればそれ印刷会社とのコミュニケーションに役立ちます。
特に、金や銀など特殊な印刷は、なかなか適切な見本がないので、集めておくと役立ちます。
印刷以外でも、細かな表組の表現とか、印刷の抜き合わせの具合とか、スクラップしたときは気にしなかったことで、後で役に立つことは多い。端の余白部分とかを捨てちゃだめなんだよね。
それと、デジタルデータ化でオリジナルを破棄するのも、同じ理由でぼくは好まない。やっぱり、現物の持つ情報量を全てデジタル化するのはまだまだ無理だと思う。

自分の趣味の確認

デザインという仕事は、人を知るっていう面がとても重要なんだけれど、結局、自分を知ることが一番難しい。そういう意味で、スクラップブックを1年つけて後で見てみると、自分の興味がかなり明確になる。そういう自己認識のためにも有効なツールだと思います。


で、スクラップブック作りなよ〜って周りに言うんだけど、それだけじゃ、みんな作らない。やっぱり「アウトプットを先に例示してしまう。」ことが重要ってことなので、恥ずかしいんだけどぼくがつけていたスクラップブックを公開します。
ちなみにスクラップブック自体はコクヨ製で近所の文房具屋で普通に売っています。



これを参考にするかどうかは別にして、もっと良いスクラップブックを作ってね!