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長期休暇中に専門外の本を読む

それは1997年4月のことだった。妻のスーザンは、統計学の博士課程を修了した直後で心身ともに疲労していた。そこでアーサーは、ホノルルで一緒に十分な休息がとれるようにと、IIASAから八週間の休暇をとった。アーサーはそれを半分仕事を兼ねた休暇にした。彼は朝九時から午後三時まで東西人口研究所に出向いて研究論文に取り組んだ。妻は眠り続けた───文字どおり一日十五時間。そして午後遅くに、よく二人はオアフ島北部のハウウラ海岸までドライブした。ほとんど人気のない小さな砂浜だ。二人はそこでボディーサーフィンをしたり、ごろごろしながらビールを飲んだり、チーズを食べたり、本を読んだりしていた。そんなときのためにと持参していた本をアーサーが開いたのは、あるけだるい午後、その海岸にきてすぐのことだった。ホーレス・フリーランド・ジャドスンの『分子生物学の夜明け』、分子生物学の歴史を記した六百ページの本がそれだった。
          ──────────────────複雑系 M・ミッチェル・ワールドロップ 田中三彦+遠山峻征訳

長期休暇を取ろう

なに、8週間といっても、2ヶ月にもならないのだ。営業日で言えば40日。これなら去年から繰り越した有給休暇とあわせれば何とかなる。
全部使い切るのは病気になったとき不安とかみんな言うけど、何も毎年こんな長期休暇を取るわけでもないよね。
しかも、ただ休めばいいってわけじゃあない。奥さんのスーザンは、毎日15時間寝なければ回復しないほど、「心身ともに疲労」している。成果を出す仕事に、ハードワークは基本的な要素だと思う。
ようは、メリハリをつければいいんじゃない?ということ。

専門外の本を読む

異なる視点から考えることは、常に重要だと思う。こうしたリラックスした雰囲気で、普段と異なる考えで脳をゆっくり揺さぶることは、アイデアの創出にとって良い環境だと思う。引用文の前でアーサーは実に多くの経験や思索をトコトン行っており、その後こうしてリラックスするというのは、「アイデアのつくり方」という本で紹介されている4段階のパターンにも一致している。
しかもチーズを食べながらなら、全くもって言うことはない。

イデアの誕生

この後、アーサーはとても素晴らしい発見に出会うのだけど、ぼくもまだ読んでいる途中なので詳しくはわかりません。
まだ、逓増的収穫が理解されず苦しんでいる状態。


と、偉そうにいっておいて、久しぶりに海外旅行へ行くことにしたんだけどたったの二泊三日。次はもっと長期を取るぞ。

複雑系―科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち (新潮文庫)

複雑系―科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち (新潮文庫)

アイデアのつくり方

アイデアのつくり方