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立体視3Dアニメを観た


先週は芝浦にあるウェルツアニメーションスタジオさんにおじゃまして、開発中のオリジナル立体視3Dアニメ「アルトとふしぎな海の森」を拝見しました。


学会やメーカー展示会のデモプレーですと、立体視の機能を引き出すほどのコンテンツにはなかなか恵まれないし、博物館や博覧会での展示は、長蛇の後にすごい期待感が膨らんだ状態で見ちゃうのでいまいち満足度が低いのですが、ウェルツさんの作品は一見普通の液晶TVで、スモークの眼鏡をかけるだけで立体視ができる点がすばらしいです。非常に気軽なのです。普及したらいいなぁ。案外オリジナルの立体視コンテンツってどこもやっていなくって「日本発」とのこと。やったネ!


立体視の方法は、液晶パネルの前に偏光フィルターを配置しそれと対になった立体視メガネを使うXpol式。古臭い赤青の3Dメガネじゃないのです。(右上写真のメガネがそれ。)


現状はまだパイロット版(約5分)ですが、このパイロット版を梃子にスポンサーを募り、来年の公開へ向けて本編を作りたいとのこと。
さらに、来週から開催の「広島国際アニメーションフェスティバル2008」にも招聘されているそうです。ホームページのプログラムを見ても、上映プログラムには載っていないんですが、5分だしね。どこで上映するのかな?サイトを見ていたらなんだか行きたくなるよね。

→フェスティバル会場アステールプラザ内の1室で期間中終日上映だそうです。ちょっとした合間の時間に訪れるのもOKっぽいですね。実行委員会事務局さん、ありがとうございました。


スタッフの方と、「オープニングのモーショングラフィックはAdobe AfterEffectsのみで作ったんだけど、3Dレイヤーのカメラの対象は1つのコンポジション内のみなんで何百レイヤーになって困った」とか、「デジタルドメインのNUKEでコンポジットした方が、AEよりエフェクトや背景がより立体的に見える」とか、そういう技術話は本当に楽しい。


ウチらのような会社からの委託仕事の合間を見つけて、将来のためにこういう技術開発をコツコツしているって本当にすばらしいと思うんです。先日のエントリーの「初期のPOPEYE編集部」やジョブズが買ったばかりの頃の「ピクサー」、ジリオン作っていた頃の「I.G.」なんかもこんな熱気にあふれた雰囲気だったのかもしれないですね。
食えたり、飽きたり、満たされたりすることで、どんどんスポイルされがちなんですが、ものづくりは終生絶対こうありたいと思いました。

●参考サイト