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裸眼立体視液晶

東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社のインテグラルイメージング式液晶のテスト機を拝見することがあったのでご紹介。

眼鏡不要

まず、メガネが不要というのがいい。メガネが必要だと、用途がかなり限られてしまい、映画館くらいしか用途がないような気がする。

仕組みは?

技術的には、同時に9つくらいの画像を表示して立体に見せているらしい。9つは横に並べているのに、顔を回しても立体に見えるのが不思議。
デメリットは、左右は42°以上だと画像が崩れてしまう。だから、多人数での閲覧や屋外の広告とかには向かないかもしれない。でも、裸眼でこれだけ立体に見えるのは初めて。驚きました。
空中に立体的に結像しているって、なんかすごいね。

データの作り方

コンテンツ開発環境はMAYAから専用のプラグインでデータを吐き出すそうです。実機は東芝製でOpenGL、PCでの再生はDirectX9に専用ドライバをのせるそうです。まぁよくある感じですね。インタラクティブ表示(リアルタイムレンダリング)もデモでは見たんですが形式は不明。

技術先行で用途が見えない

担当の方とお話していると、現状、主だった用途がなかなか見つからないとの事。

「私たちメーカーには技術はあります。ただコンテンツを作ったり、カスタマーの視点から需要を掘り起こし、商品化することは苦手なんです。それを色々とご提案いただければ助かります。」

とのこと。


でも本当は、企画、制作、マーケティング、技術。それぞれの先端企業が一箇所に集まって、情報交換を繰り返すような環境があると、もっとイノベーションが生まれると思うのだ。今みたいな会社ごとの縛りをもう少し緩くして、会社横断型のプロジェクトチームが簡易な手続きでどんどんできる環境があるといいな。きっとシリコンバレーってそんなとこだったのかも。と、何となく妄想。

アライアンスの時代

そういう集まりが現実でできないなら、せめてネット上でも意見交換ができればいいよね。と言う意味でちょっとエントリーを書いてみたのでした。


さらに余談ですが、少し前に、リコーさんと異業種交流会をしたときに出た質問。
「ゲームの企画は、初めに技術ありきなのか、初めにアイデアありきなのでしょうか?」
そう、これは実際両方ありなんだけど、コントローラーが決まっている家庭用と違い、アーケードの場合はやっぱりアイデアがあって、それに合致した技術や機器を探すことが多い。
まぁ、守秘とかあってね、なかなか共有するのは難しいのだった。

みんなで考えよう!

担当の方は、簡単な試作なら、こちらの費用で行いますので、アイデアをどんどん出してくださいって、なんか泣けますね。

  • お金持ちクラス専用の航空機の案内インタフェース
  • 完全な3Dの携帯ゲーム機

こういう面白いネタを見ていると、なんかアイデアはすらすらいくらでも出るんだけど、皆さん*1はどうですか?


子供の頃に赤と緑のセロファンを貼った紙の眼鏡をかけて、飛び出す映画を見て以来、30年近く経つんですが、その後一向に立体視映像が普及しない。もう、何でなのかなと。液晶画面の普及なんてホント数年で完了したのに。ヴァーチャルボーイも一瞬で消えたしね〜。


とりあえず今週末の出張の際に「センターオブジアース」を見に行こうかな。これの立体視はたぶん偏向レンズを使用したタイプ。ただ「3D映像のイベント性を重点においた、けっこう面白い映画」だそうです。アメリカの映画ですが原作はフランス語。

関連エントリー

●参考サイト

追記(2010/08/24)
普通のテレビになったみたい。
先発のメガネ式が一定の認知あってのことだな。

*1:なかのひとを見る限り国内の錚々たる企業の方が訪問しているんですが…