ヴィデオ・アシスト・システム
mumuさんのblogを見ていたら、LEGOのフィギュアを使ったショートムーヴィのコンテストの結果の記事が紹介されていました。その中にミトゥィーさんの作られた映像があるんだけど、そのコマ撮りアニメーションの制作に関して、別の記事で紹介のインタビュウムーヴィを見ていたときにですね、なるほどこういうツールがあったのねと、今更ながらに思ったのでちょっと調べました。
すでにここまでで4つの引用があるので、まず整理。
このインタビュウの中で、かなり詳細にコマ撮りアニメーションの制作手法に触れられています。
骨子としては、次の2点です。
- WEBカメラで撮った画像を元に、動きや演出を調整する。これには専用ソフトを使う。
- 確定したら、別の高解像度カメラで実データ用に再度撮影する。
1.をヴィデオ・アシスト・システムというそうです。
さて、えーっと、私は今まで、HVX-200のワンショット撮影機能でコマ撮りアニメーションを作っていたんですが、上でいう2.オンリーで作業をしていましたので、背景や関係ないところがちょっと動いたりしたら、あぁ〜〜!と頭を抱えて、最初から撮り直していました…。しかもどんな映像が撮れているかは、ポーズつけているときはわかんないんよね。
1年くらい前に見に行った東京工芸大学の卒業展で、コマ撮りアニメーションを作るにあたって、PCを介さない「ランチボックス」という機械を使うことを知った*1のですが、なにしろ49万円と高いので、手を出しかねていたんです。それをソフトで行うシステムがあるかもということは、今回のインタビュウを見るまで気がつきませんでした。いやぁ、面目ない。
ちなみに、カメラは2つ準備せずに、高解像度のもの1つでも良いと思います。レンズや位置の違いにより、画角やレイアウトが変わってしまうので1個で共通使用できた方が良いかもしれません。
●参考サイト
そしてコマ撮りアニメーションを支援する、ヴィデオ・アシストシステムのソフトウエアは下記があるみたいです。詳細はPUPPET-BOXさんというサイトからの引用です。
CLAYTOWNなどいくつかのサイトを確認しましたが、入力は静止画でなく動画で常に映像が来る状態が必要みたいです。だからUSB接続のwebカメラなどがお勧めなんでしょうね。業務用だとIEEE経由でモニターできる機能が必要だと思います。RCAコンポジット出力をUSBに変換するとなるとかなり大げさですからね。
PUPPET-BOX(人形アニメーション作家 オカダシゲルさんのHP)
- こちらはとてもよくまとめていらっしゃいます。勉強になります。
- トライアル版があります。
- ウォレスとグルミットもこれで作っているんですかね〜。
- →説明(PUPPET-BOXさん)
さて、このヴィデオ・アシスト・システムは非常に便利なものだと思います。一方で、いつも言っていることなんですが、DTPの導入で、従来色校まで色付きの印刷した状態を確認できなかったり、ゲームだって、実機で動きを確認できるのって、なかなか大変でそう何回もチャンスがあったりと、デザインにまつわる状況って、昔ほどプアだった。
それがこうしたテクノロジーの進歩のおかげで、繰り返し、早い段階から確認できるようになった。精度は上がったし、ギリギリまで攻めることも可能になった。クオリティの追求をだれもが享受できるようになった。
一方で、頭の中でしか完成形が確認できないからこそ、クリエイティビティが磨かれるという考えは依然として存在する。はたしてツールや環境がプアだったから、クリエイティビティまでプアだったかというと、全くそんなことはなかった。と、思う。
むしろ、道具の持つ限界というか性質に沿ったものしか作らなくなる傾向が強くなる。何しろ楽だし。
そういうわけで、便利な機械をつかうには覚悟がいるっていうふうに思うのです。