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長閑(のどか)な昼食

そごうの一階に入っているパントリーのチーズコーナーは熱心なファンがいるようで、1500円以上する水牛のモッツァレラチーズが一週間で2ダースはける程なんだ。久しぶりに入荷した16ヶ月もののA.O.C.コンテを買ったついでに、セール品のゴルゴンゾーラも入手。その瞬間、妻の頭の中で今日のお昼が決まったらしい。入り口のドンクでバゲットを買い、歩いて家に戻る。今日は本当に天気がいい。


ぼくが料理鋏で13mmずつバケットを輪切りにし、長手の皿に丁寧に並べていると、ミネストローネが湯気をたててやってきた。あまりものの野菜でも、近場で採れた野菜は野菜そのものの味がする。塩味はパンにつけたゴルゴンゾーラ*1で十分だ。ドンクのフランスパンは日本で食べることのできるフランスパンの中でもかなり優秀な方だとぼくは思う。近所にドンクがあることはありがたいことだ。


カップにココアを練っているとミルクが注がれ、アツアツのゆで卵をつぶしマヨネーズであえる。食べ物が豊富ということは、それ自体で幸せなことだ。ブルーベリージャムやコンテも卓上には上がったが、もうおなかいっぱいになった。それでもとどめの一撃と出てくるチョコクロワッサンやベーコンもちをドンクで買ったのをぼくは忘れていた。


ボビィー・ティモンズの「ジス・ヒア」が流れ、大きな窓の外には春の緑芽吹く山並みが広がり、遠くに明石の街や、明石海峡大橋が架かる海が見える。家の中なんだけど、なんだかまるでピクニックのようだ。


こういう生活は、子供の頃には、憧れはしても叶わなかった。
だから、始めから享受できる息子がちょっとまぶしい。

*1:ブルーチーズは青カビを利用したチーズとして有名だが、その製法上かなり塩分は多い。このゴルゴンゾーラはまだマイルドな方。ぼくはフランスのソシエテ社製ロックフォールが一番気に入っている。塩分の辛さはとびきりです。