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座長の条件

本日の読売新聞朝刊・編集手帳を読んでいる。〝喜劇王エノケンこと榎本健一さんがあげた劇団の座長が備えるべき資質についての引用から始まった。

  • 芝居がうまい
  • 金銭に疎い
  • 怒りっぽい
  • 体力でも座員に対抗できる

                    ───────私説コメディアン史(著:沢田隆治
「金銭に疎い」というところをお題に、小沢代表辞任と「リーダーとお金」に関して述べる構成。


日本人の庶民的な感覚からしたら、まったくその通りなんだけど、現実の社会は金銭の話なしでは立ち行かないところまで来てしまっている。
ソニー創業者のひとり、盛田さんの「MADE IN JAPAN」を読み、終身雇用制の擁護や米国式経営に対して戦後日本的株式会社経営の優位性をとくとくと説く内容に、この20年の時代の流れを感じた。この本に描かれている盛田さんが批判するアメリカ企業のやり方は、すでに多くの日本企業が現実的に取り入れてしまっている。
だいたい、連結決算や能力主義など、アメリカ式経営を日本に導入したきっかけを作ったのはソニーさんじゃなかったんだっけ?と突っ込みどころ満載なんだけど、盛田さんの中では和魂洋才だったんだろうなぁ。


「偉大なカリスマほど、後継を育てることは疎い」というお話を、櫛先生としたことがちらりと脳裏に浮かぶ。やれやれ、年俸交渉の季節なんだよなぁ。日本人的なお金を忌避する美学とは別に、できれば、こういきたいものです。

  • 金を残して死ぬものは下だ
  • 仕事を残して死ぬものは中だ
  • 人を残して死ぬものは上だ

                    ───────後藤新平

決定版 私説コメディアン史 (ちくま文庫)

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