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取り返しのつかぬ失敗に愕然とする

P127より、ちょっと長いですが、たいへん沁みる内容です。

一歩ずつ

私たちは、大企業の社員がどんなふうに上位管理者向けのプレゼンテーションを準備するのかを何度も見てきた。新しい製品やサーヴィス、あるいはマーケティング戦略をつくりあげるのに数カ月かける人がいる。そういう人は、早い段階で人の意見を聞いたり反応を見たりしないことが多い。何度も検討を重ねたりしないのだ。そして、何カ月もかけて取り組んだものを最終的に見たとき、上司は嬉しい驚きを味わうことがあるかもしれないが、取り返しのつかぬ失敗に愕然とすることもありうる。新しいプロジェクトを開始した瞬間から、試合終了まであと二分の合図を聞いたクォーターバックの気持ちになってみよう。長いパスをだすかわりに、数ヤードを狙ってサイドラインに向かってパスをし、時計を止める。ただ勢いだけを持続させるのだ。


私たちはステージでプレゼンテーションをし、概略のスケッチやフォーム製の安上がりな模型を見せ、それらを利用して手遅れにならないうちに進路を修正する。デニスが言うように、次の木曜までしか時間がない場合、とにかく製品の一部を決定しなくてはならないのだ。

だから、ラピッドプロトタイプだし、だから素早いアウトプットだし、だから「ラフ」に作ってダメな案は思い切りよくさっさと捨てるのだ。


あと、この本はプロダクトデザイン業界では著名なIDEOという会社の本です。MACのDUO DOCKの模型にスティーブ・ジョーンズが狂喜していたり、なかなか面白い事例がいっぱいですよ。 まぁ昨日スタッフに聞いたら誰もDUO DOCK知らなかったけど。

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

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