tQy

OLYMPUS PEN

今週東京から出張してきた同僚と、軽く打ち合わせをしようと共有執務室へ行くと、机の上にPENがあった。そういえば最近PENを買ったという人を多く聞く。
思えば、私の父が始めて買ったキャメラも、ハーフサイズ*1OLYMPUS PEN EEだったと思う。その後OM1を購入した父に、なぜOLYMPUS製品を買ったのか尋ねたことがある。確か数年前のことだ。
答えは至極明確だが、私には少し残念だった。


「安かったからだよ。お金があれば、Nikonを買ったさ。」


当時のOLYMPUSの製品は、OLYMPUSでしかできない製品コンセプトがあり、それがデザインに結びついていた。幼少時に私がそれをどこまで理解していたかは不明だが、やっと手が届くようになった箪笥の一番上の戸棚から、こっそり金属製のキャメラを取り出し、おごそかな手つきで触っていたのを思い出す。今にして思えば、あれは私にとってデザインの勉強だったのかもしれない。理解はせずとも先駆的に感じていたかもしれない。


個人的にその後いくつかのOLYMPUS製品を入手した。往年の輝きに迫ることは、いつの世でも難しい。それでも、押させてもらったシャッターの、軽くボディを振動させるメカニカルな機構に、OM1を思い出した。


パシャリ


手への振動は心地よかった。

*1:もうフィルムキャメラを使う人が少なくなってきたので念のために説明すると、35mmのフィルムを半分使うことを指す。光学ファインダーが縦なのもそういう理由。