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遠近感を表す手法

火曜のための講義メモ
AfterEffectsの3Dレイヤーを使うにあたって知っておくべき基礎として。お稽古に向かう電車の中でメモ。
ソフトウェアの機能に頼るのではなくて、あくまで自分の見せたいものを実現するために、技法を選び、ソフトウェアの機能で実現する。ソフトウェアの設定通りだから「あっているはず」なのではなく、あくまで自分の主観として、見やすい、わかりやすい、イメージ通り、適切、と判断すべき。人間の視覚認識は基本的に個々人のフィクションです。フレームワークに従って、見たがっている情報を送り込んであげれば良いかと。

  • 各種透視法を参照。
  • レンズによって歪み方が変わることに留意。最低でも広角(28mm)標準(50mm)望遠(80mm〜)*1の見え方は実際のカメラで体感し身体化しておく。

大きさ

  • 近くのものが大きい、遠くのものは小さい。縮小率の傾斜はそうとうごまかせる。

きめ(テクスチャー)

  • 近くのものはきめが荒い、遠くのものはきめが細かい。
  • 片目でも立体視が出来る理由の一つ。アフォーダンスの本は一冊くらい読んでおく。*2

動き

  • 近くのものは早く動く、遠くのものはゆっくり動く。だから月は止まって見える。
  • 3Dソフトの座標計算は合理的かつ自動でたいへん便利だが、AFXコンポジションでは、単純なスクロールの組み合わせのみで、相当凝った嘘をつく場合がある。

色(空気遠近法)

  • 遠くのものは彩度が落ちる。大気による光の屈折、空気中の埃などが理由だとされる。
  • これは日頃から色々な環境で風景を見たり写真を撮って、データを自分の中に蓄積しておく。

ボケ(被写界深度

  • カメラのレンズの種類、絞り等の理由により、被写体にピントが合う距離に制限があること。近いからボケる、遠いからボケるというのでなく、ピントが合ってない所はボケるということ。
  • 転じて、あるオブジェクトを目立たせたいとき、遠近が異なる他のオブジェクトを被写界深度に従ってぼかす表現も可。これはカメラによる自動設定もあるが、手動で任意に行う場合もある。

  • 影をつけるとそれだけで立体的に見える。不思議。
  • いわゆるドロップシャドウは、UIにおいて対象の前後関係を記号的に表現する場合での使用が多い。

  • 縁にちょっとだけハイライトを入れる。3次元的に正しいというよりも、テクスチャーを認知しやすくする記号として行うことが多い。



すべての条件を満たす必要はない。
どれか絞った方がわかりやすいということもある。
ただし、採用していない手法がたまたま効果を発揮して、全体の絵作りを逆に邪魔することもあるので、配慮してください。

追加(2010/05/05)

「46年目の光―視力を取り戻した男」を読んでいたら下記記述があったため追記

重なり、高さの違い

大きさの予備知識