tQy

アウトライン

竹の台新聞19号を入稿したが、また印刷会社から戻ってきた。アウトライン化したときのゴミが残っているという。
どうも前回から対応がおかしいので聞いて見ると、DTPオペレータが一人しかいなくて相当大変な状況らしい。


そもそも、アウトライン化して入稿というのは、誰が言い出したのだろうか。いや、わかってる。DTP化が始まった十数年前、全てのフォントを印刷会社がいきなり購入するのはたいへんな負担であった。モリサワだけでも相当な金額になった。アウトライン化して入稿してもらえばその費用を負担せずにすむ。だいたい、従来書体の費用を負担するのは写植屋さんだったし、印刷会社(もしくは製版屋さん)にしてみればなんでウチが買わなならんの…という思いもあったかもしれない。
他の環境で作られたデータを開けると、フォントのプロパティがうまく適用できない事故も多かった。自然、面倒だから全部アウトラインで、という話になった。また、ライセンスの問題を受注者側が回避することにもなっていた。


もちろん、品質上はアウトライン化しないデータから出力したフィルムを使って印刷した方が美しい。そもそもそのように使うために設計されたのだから当然だが。
そして、昨今ではアウトライン化しない状態での入稿も増えてきていると聞く。
IllustratorもCS以降になって数年が過ぎた。状況はずいぶん変わってしかるべきだろう。


それを避けておいて、ゴミだのなんだの言うのは筋違いという気がするが、それでも印刷会社で一人データを一日中処理している人間の気持ちは、痛いほどわかる。かつて、私もそうだったから。