tQy

見積りのゆくえ

たまたま、書き文字の「ゆれ」について考えることが重なった。
まず一個目。

送り仮名

「見積り」という言葉は、就職するまで、つまりは社会に出るまであまり縁がない言葉だ。私の場合は、特に外部にお仕事をお願いすることが増えた頃から、この単語を自分で書く機会が増えた。意外と正確な、必要にして充分な、十全な、見積書&請求書って書けない人が多いのよ。で、仕方がないから私が書くのです。もちろん、私も良くは知らない。(当然だ!)で、悩むわけですよ。

  1. 見積もり
  2. 見積り
  3. 見積

個人的には一番しっくりする、「見積り」と「見積」を併用しながら、長らくこの疑問は放置してきた。


先日、スタッフの日報を見ていて、何か引っかかった。ピカーン! 何だろうと見ると「見積もり」と書いてある。*1あぁ、送り仮名ね。と思い調べてみた。


→ずばり同じ質問に的確に答えた例がある。


結論からすると、どの使用も可とのこと

  1. 見積もり 内閣告示『送り仮名の付け方』準拠 積むと区別するためま行から送る。
  2. 見積り 戦前はこの書き方が主流 文字数が少なくてすむ。
  3. 見積 複合語の名詞のうち慣用は送り仮名を省略することが可能


いや、内閣の告示があったとは知らなかった。不勉強でした。
ただ、昔は仮名を少なく送ったけど、最近はたくさん送るっていうのはなんとなく実感として納得。私は本が好きで、読む本は古い本も多い。従って、今の標準的な書き文字からは少し古い用法を好むと思われる。おそらくね。
で、ゲームの中の説明文を読むのはたいていは私より若い人が多いだろうから、そこは切り替えないといけないだろう。


色々見たのだけど、私にはここがわかりやすかった。

三省堂国語辞典は子供の頃から使っていたし、子供にも買い与えた。
WEBの背景色や改行も好みだ。

一 この「送り仮名の付け方」の本文の構成は、次のとおりである。


単独の語


1 活用のある語


通則1 (活用語尾を送る語に関するもの)
通則2 (派生・対応の関係を考慮して、活用語尾の前の部分から送る語に関するもの)


〜〜〜〜〜省略〜〜〜〜〜


通則1


本則 活用のある語(通則2を適用する語を除く。)は、活用語尾を送る。


〜〜〜〜〜省略〜〜〜〜〜


通則2


本則 活用語尾以外の部分に他の語を含む語は、含まれている語の送り仮名の付け方によって送る。(含まれている語を〔 〕の中に示す。)


〔例〕


(1)動詞の活用形又はそれに準ずるものを含むもの。


積もる〔積む〕


〜〜〜〜〜省略〜〜〜〜〜
            ──────────三省堂-必携 用字用語辞典、送り仮名の付け方

通則1は小学校で習った。
語尾が変わるところから送り仮名にしましょう。だいたいそれで事足りる。例外が後に続く。通則2〜通則7だ。今回の件は通則2に該当する。通則2に該当する言葉で、仕事で使いそうな言葉も列記しておく。上述の通り、[ ]内が含まれている語になる。

動かす〔動く〕 向かう〔向く〕 浮かぶ〔浮く〕 生まれる〔生む〕 押さえる〔押す〕聞こえる〔聞く〕 起こる〔起きる〕 落とす〔落ちる〕 当たる〔当てる〕 終わる〔終える〕 変わる〔変える〕 集まる〔集める〕 定まる〔定める〕 混ざる・混じる〔混ぜる〕


「ゆれ」という言葉になるくらいで、実際は好きずきなんかも知んないんだけど、個人的には、文章全体での統一、社内か部署での統一、商品や機種での統一、くらいあったほうが気持ちがいいものなのではないでしょうか。というか、やって欲しいな。個人の文章ならそのときの気分でいいと思うんですけどね。ただ、仮にもデザイナーたるもの、インプッドメソッドの最初に出てきた仮名遣いを無思慮に使うってことはありえないかと思うんだよね。自戒を込めて。


次は「音引き」について。では、明日以降に。

*1:ちなみに私は文章を画像として高速処理をする。一文字ずつ丁寧に読むにはどこかを切り替えないといけない。どこやねん。「見る」の意味が「覧る」と「視る」なんだろう。そういえば「見積り」とはおもしろい言葉だネ。