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1Q84を読みながら

7時に起きて1Q84の続きを読む。
9時前の朝食はサラダなど。途中からチキンラーメン(1袋を3人で分ける)が追加される。チキンラーメンは戦後の偉大な発明の一つだと思う。我家は密かなファンなのだ。
どうやら9時20分にBOOK1を読み終えて出発する。車中でBOOK2を読む。表紙にうっすらと青い月が描かれていることに気がつく。なんだ、BOOK1の黄色いしみに見えたのは、誰かがお茶をこぼしたせいじゃなかったんだ。今頃になって気がつく。そういえば栞とも色が揃えられている。こういう仕事は楽しい。しかし、BOOK2は2つ目の月を象徴するがごとく話はどんどん暗くなる。蒼い月。門戸厄神の駅で電車からから降りるとき、酷い災厄にあたりの風景も暗くうつるような状態で本を閉じることになった。


お稽古は逆半身片手取り。四方投げの表はいまだに苦手。後ろ足から二足入る。裏は一足。半身半立ちは一足。踵は常につける。お稽古の後Tシャツの打ち合わせ。順調に決まる。これなら明日版下は完成できそう。岡田山をおりて門戸厄神に行く途中のトロルというベーカリーで、70円のお得なパンのセットとサンドイッチを買い門戸厄神の駅で食べる。トロルについて考える。三びきのやぎのがらがらどん指輪物語、どれもトロルはワルモノだが、ここでは麦の穂を携えた小人に描かれている。駅では食べている間に電車が1回過ぎていった。飲物はTABASCOの瓶にそっくりなデザインのTORANOCO。MAKKA NA USOと書いてあり、タバスコをジュースのように飲まないように注意書きがしてある。MADE IN USAのもじりか。この朱色ベースに白字でチェリオと印字したキャップは珍しいのだ。パンはゆっくり良く噛んで食べる。あまりたくさん食べられないのは寂しいが仕方ない。


三宮で降りるとミント神戸へ。今日こそ成分献血をするのだ。自分でもまるでトマホークのようにくどくてしつこい性格だなと思う。
成分献血は400mlより検査が厳重な気がする。そもそも献血は、?「血が欲しい、多くの人からたくさん血液を採りたいという」ベクトルと、?「問題のある血液を採血してはいけない、何が何でも検査ではねなければいけない」という相反するベクトルが、真正面からぶつかり合っているような気がする。やたらと丁寧な職員や、未来的なまでに整備された採血ルーム、電子キーのロッカーやコカコーラボトラーズの自販機や雑誌などはそれに比べればおまけのようなものだ。だが、そういう相反する力がぶつかることは大切なことだと最近思えるようになってきた。押し切りと引き切り。利益追求と作品性追求。矛盾する相反する力がぶつかって初めて生まれるものがある。
それにしても、今日は先週ほど若い女性がいない。先週は結婚式の2次会かと思うくらい、若い女の子ばっかりだったのにね。


成分献血は初めてだった。一本の管で血を抜き、遠心分離機で血漿を分離し、赤血球などをまた血管に戻す。何でもこなす太い針の異物感は新しい体験であり、血液が体に戻される際の血管への圧力は、のんびり読書ができるようなものではなかった。吸引中、上腕に圧力がかかっている間、カイロを手で4秒に一回揉むことで血管の収縮を防ぐようにいわれた。看護師は職業的な几帳面さで丁寧に説明をしたが、私には残念だが良くわからない。しかし、いわれるとおりにした。
正面のモニターでたまたま月末に家族で旅行を予定している熊本の三大グルメがTVで特集されていた。メモとボールペンを看護師さんに頼み左手で書きなぐるが、帰りの地下鉄の中でメモを忘れたことに気がつく。たまたま家内も同じ番組を見ていたので良かったのだが。
帰ると家内はBOOK1を読んだという。「非常階段をおりていたわよ〜。」それって一番最初やん。晩飯も良く噛んで少しずつ食べる。
食後にお菓子が食べたいとねだるとハーゲンダッツが出てきた。ゴマクッキーはシャリシャリした食感が楽しい。ハーゲンダッツの株はいつか買い占めたいものだと、そう思うくらい、ハーゲンダッツはいつもおいしい。


さて、来週からのことを考えると、1Q84並に色々と先行きに不安の影が立ち込めてはいるが、家族と共に今日も夕食を楽しめたことに満足と感謝を捧げたい。とにかく今日も生き残ったのだ。


その後、緑茶をさらに数杯のみ1Q84のBOOK2を読み終える。そういえば、村上春樹を始めて読んだのは1984年の頃だった気がする。16歳。ふかえりと同じ歳には「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」読んでいたことになる。あの当時、1978年はひどく昔に思えたものだ。今だと似たようなものだ。
3冊目をあまり待たずに読めるのはラッキーなことかもしれない。ねじまき鳥のときはずいぶん待たされたんだよなぁ。まだ熱心な読者だったのかもしれない。
寝転んでキディグレイドキディ・ガーランド(IPの有効活用の難しさについては見ていて考えるところがあるんだよなぁ)とバカテスを途中まで見る。今日はもう何もしたくない。Tシャツとか新聞とかは明日やればいい。