tQy

母とHARBSでランチ

水曜日に休みをとり、「仕事が忙しくて…」という理由で1年近く延びのびだった母との買い物に行ってきた。


待ち合わせの前にカットを済ませ、さっぱりと。平日なのに混んでいて予約がなかなか取れなかった。一丁目のHARBS(ハーブス)で少し遅い昼食。ランチ・スペシャリテ。ちなみに帰ってきて食べログを見ると、ハーブスってヒルズにもあったのね。


そのあとは通りをぶらぶら大丸神戸店まで。気候はだいぶ暖かくなってきた。学生が春休みに入ったせいか、大丸もかなりの人混み。
70を過ぎた母は、その世代ではかなり背が高い方だ。背が高い人間は既製服に選択肢が少なく服選びは難しい。身長182cmの私ですらそう感じる。母にとっては洋服を選ぶのにはそれなりに苦労の多い人生だったと思う。服を選ぶのが苦手といっていたのはそのせいかもしれない。それとも、神田の江戸っ子のお嬢さんが、戦争によって洋服を自由に選ぶようなゆとりのある生活失ってしまったかもしれない。


女性の服の買い物に付き合うことは、けっこう長い時間がかかることが多い。正直、相当な忍耐力を必要とする。しかし今回は運良く、気持ちにあったグレーのジャケットを、極めて早い段階で勧められた。襟周りは華美ではなくトラッド、かつベーシック。レジオの会議に着て行くという当初の目的が充分に満たされている。それ以外に、インナーを調節すれば、冠婚葬祭にも幅広く対応できそう。生地は少し光沢があり年寄りじみないところも良い。あわせてパンツも購入。百貨店の良いところは、幅広い世代の、幅広い体型にそれなりに合致した洋服を極めて適切に選んでくれるところにある、とあらためて感じさせられた。


時間があまったので、階を登る。たまたまその日から高橋留美子展が始まったらしい。これを母と観にいくのは、息子としてやっぱりちょっと気恥ずかしいものがある。金曜ロードショーでナインハーフが始まるような感じ。今回は遠慮しておくことにする。それでも物販はひととおり見てまわる。20年前はアニメイトでしかお目にかかれないようなものが、こうして百貨店に並んでいることに軽いめまいをおぼえる。まあ、センター街の3階に比べればかなり減菌させられたものではあるが。さて、それでもというか、やっぱりというか消しゴムを記念に買ってみたのだった。ラムちゃんは永遠にカワイイ。考えてみれば、ちょうど今の私の息子のくらいのときに高橋留美子を必死に読んでいた。単行本や画集を出るたびに買ったのを思い出す。「うる星やつら」が、ツンデレ系キャラやハーレム設定など現代に繋がるこうした文化の元祖的な面もあったのかな、と改めて思い少し驚く。


その後、姪たちの誕生日のプレゼントも相談される。それは、ハートキャッチ・プリキュアしかないでしょう。そこらへんは得意ジャンルなのだった。おもちゃ売り場が残っている百貨店は素晴らしい。


しばらく旧居留地区を散策し、カフェラテで足を安め、駅で別れた。こうして母の買い物に付き合う機会があと何回あるのか。それは決して多くはないだろう。別れ際に母は数日前に買ったガスレンジのことを楽しそうに話していた。


「IHにしようと思ったんだけど、電磁波が合わないっていう人がいてね、やっぱりまたガスにしてみたの。それでもガラストップでね。すごく使いやすいの。前のが10年もったからね。あと10年持てば十分だと思うの」


名も知らない、ガスレンジのデザイナーに心から感謝したい。使いやすい新製品はユーザに楽しさや安らぎを与えてくれる。それはささやかかもしれないが、かけがえのないことのように今日は思う。それが企業の売り上げを確保するためだけでに存在しているのではない、と感じられることは、私にとっても大きな救いなのだ。


家族へはボックサンのこだわりロールを一本購入。 ラウンドワンに新商品を見に行くべきかと思ったが、足早に帰ることにする。


ハーブス 神戸クレフィ三宮店

食べログ ハーブス 神戸クレフィ三宮店

ボックサン 三ノ宮店

食べログ ボックサン 三ノ宮店

○関連サイト