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誰に、真っ先に、金を払うか?

繰り返し、人に話す話がある。


  「誰に、真っ先に、金を払うか?」


という話だ。


大学生のころ、信販会社でアルバイトをしていた。信販会社っていうとクレジットカードを発行したり運営している会社のことですね。そこで、督促の電話オペレーターの仕事をしていた。

「電話を掛けるだけの簡単なお仕事です!」www
(大学の学生部掲示板より)


でも実態は、クレジットカードで何か商品を購入したけど、期日に口座から引き落としができなかった人に、お金を入金してくださいね!と、電話でお願いする仕事だった。平たく言うと「借金取り」かな。


たいていの人は、たまたま口座にお金を入れ忘れているだけで、引き落としができない場合に自動的に送られる葉書の連絡を見て振込みに行ってくれる。もしくは、翌月に先月分とまとめて引き落とされる。
OK
そういう人は問題ない。
それくらいなら、ブラックリストにも載らない。


しかし、3か月たってもお金が入金されない場合、督促が始まった。だいたい、月の初めに電話し、いつ振り込んでくれるか確認する。そして給料日後、つまり今くらいに電話し、直ちに振り込んでくれるようお願いする。


バイトなんで、そんなに激しい案件はまわってこない。そういう案件は嘱託の人がコツコツと処理をしていた。それでも何カ月も支払いが滞っている人や、延滞の常習者程度はバイトにもまわってくる。
危ないのはリボルビング。
だいたい堕ちて行くのはリボルビング契約の人が多い、私はこの体験から絶対にリボルビングでモノを買うのはやめた。次が車用品や宝石をローンで買う人だった。ローンは家以外絶対にしない。それをわが家の家訓にしたい。


さて、話のディテールはこの辺でもう充分だろう。
この時、とても優秀な課長がいた。この世界で優秀というのは、過去、受け持ったお客さまに自殺者がいたりと、聞いていると辛くなるので、詳細は省く。金言は金言。


「多重債務者が金を持ったとき、真っ先にお金を返したくなる担当者であれ」


これだ。
そもそも、多重債務者は往々にして、全ての債権者に返すほどお金を得ることはない。
あるわけない。
それなら、少しでも入金したときに、まずは自分のところから支払って欲しい。
そういう考えがなりたつ。


この考え自体はさまざまに応用がきく。

「仕事が忙しい時に、真っ先に処理する案件(メール)は何か?」


「畑で採れた野菜の中で、一番いいとこを売ってあげる相手とは?」


「あの人からの発注された印刷物だけは、もう一度検品しておこうと思ってもらうには?」


「あの患者さんは、自分で検診しないとなと動いてもらうには?」


「リストラは必要なんだけど、この人材だけ残しておけば、不況を脱出したときに業務が再建できるぞ」

ようは特別扱いをしてもらうということだ。
何で同じ対価を払っても、納品されるものが良かったり悪かったりするのか?それは運じゃないんだよ。という話なのだ。


もちろん、
「払わないと怖いから、あそこから払おう」
より、
「いつも、迷惑掛けているあの人からお金を払わなくては」
という反応を引き出すような、対応が普段からできているのが正解。
本当に人生に絶望している人。行き詰っている人。
そういう人は無理やり脅してもダメみたいです。


そして、自分ばかりいつもイイとこを取り過ぎるのもヤバイ
そこら辺の技術がセットで運営されることを私は望みます。


Onde esta o dinheiro?