学会のススメ
の、どちらかに入会しよーかなーと迷っている。
理由を話せば長い、もしくは「ただなんとなく」という気分も結構ある。
まぁ、自分への整理のためにまとめて見る。
ゲームのインタフェースデザイン
私が音楽ゲームのインタフェースデザインに何年も携わりながら思っていたことで、「ゲームのインタフェース」は、とても使いやすいのに、何で、携帯やＨＤレコーダー、デジカメのはこんなにダメなの？って疑問がある。（最近はゲームもヒドイの多いけどネ）
で、いつか、組み込みインタフェースのデザインの仕事が来れば、絶対もっとイイのやるんだけどなーと、ボーっと思っていたのだ。
もちろん同じような事を考える人は大勢いる。
いつの間にか「ゲームニクス」という、ゲームのインタフェースに注目している書籍もでてきた。これがそのまま拡大して、ゲームのインタフェース万歳！「ぜひわが社の次世代携帯インタフェースのデザインをやってくださいHES*1さん！！！」みたいなハッピーな話をあちらさん（NECやSONYあたり）がするかっていうと、絶対そんな事にはならないよね。ほぼ、間違いなく。
実際、われらアーケード屋さんは、ファーストプレーの食いつき（リピートプレー命）＆単位時間当たりのインカム向上（工場の自動機械に生産性を求めるのと同様のシビアなやつ）と、まことにドロドロした現場で、血眼になりながら1ドットずつピクセルを打ち込んでいる。如何にユーザーがカネを注ぎ込むかっていう生々しいお話。というわけで、インタフェースの理論よりも、現場の反応を見て体得的に積み重ねてきた文化っていう側面が強い。
言語化・理論化・マニュアル化
一方、若手の教育って面でも、どうも、昔の名手たちの技術やノウハウを若手に伝え切れていないように日々感じる。
暗黙知解析的修行（丁稚とも言う）とか、先輩のテクスチャーをこっそり舐めるように調べるとか、そういうの多分、今の若手には、はやらない。
昭和初期、廃れ行く明治時代からの職人の話を図書館で読んだけど、彼ら一向に若手を育てようとしないのよね。「もう私の代で終わりでしょう」って投げてる、大体あんな感じ。
2007年問題で退職するベテランの職人仕事を少しでも明文化するために頭にカメラをつけて作業を全部録画している鉄鋼メーカーとかに比べると、本当に全く何もしていないよ日本のゲーム業界。っていう危機感を持つのは私だけじゃないはずだ。
幸いアーケードでは、「ロケテスト」って言うものがあって、半完成の状態で、市場に設置して運営のテストを行っている。「困ったときは、お客さんに聞け。お客さんの顔が、全ての答えだ。」っていう、よくあるんだけどベタで真理な考えに立ち戻れば、良き観察者はいずれ失われた技術やノウハウを再び発見するに違いない。多分そういうのが日本人のとても良い伝統なんだろうなとも思う。
でも、きょうびの超ハイスピードなビジネスシーンで、そんな悠長に若手を育てていけるかって言うと、それもどうかなって感じ。いや無理だって。また、せっかくアーケードで長年かけて培ってきたノウハウや知識が暗黙知のまま埋もれていくのは惜しい。それに、弊社のビジネスにおいても損害である。
なんとか、定量化・マニュアル化して、凡人でも活用できるようにしたい。そのための言語化・理論化するツールは研究機関の方が優れているので、ひとつ勉強させていただこうかなと思うんです。
ペルソナとか、ペーパープロトタイピングって本当に役に立つの？とか、ヘッドマウントディスプレイや立体映像など、最近は企業内でなかなかまかないきれない基礎研究の論文なんかも読みたいし、研究者の方ともお話してみたい。
そんなわけで
ひょっとすると、あまり意味がないかもしれない。
年会費も1万円くらいかかるしね〜。（もちろん個人負担）
ホントは、昨日まで「ヒューマンインタフェースシンポジウム2007」っていうのを工学院大学（東京都新宿区）でやっていて、すごく見に行きたかったんだけど、今回はあきらめて近場の京大で開催する「明日の人・環境・社会の共生インタフェース」に今度の土曜に行ってこようかと思う。
そんな感じで、しばらく色々と見て、気に入ったら入会すればいいかなと思っています。まぁ日々たまったプラモはおろかLEGOの箱すら開ける暇のない生活で、どこまで研究的な側面にプライベートの時間を避けるのかは良くわからんが。
まぁただ、入れてくださいってお願いしても、君はダメだよって言われちゃ、それまでなんだよね。
こないだもアマゾンのカード、シティバンクの査定落とされたし。（泣
※）写真は文章とは全く関係なく、「90°以上 かつ 2重 の 虹」初めて見ました。実物はもっときれいでした。
