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大阪mebic扇町・OPセッション参加

あぁ、おれは何で、連れて行った若いヤツに、ハッキリ言わないんだろう。
例え今の自分にとって「つまらない」と思うような会合でも、先輩に連れてこられたんなら最後まで残れと。
初対面で全くの他人と、少しずつ共通項を探し、コミュニケーションの質を緩やかに上げて行くことが、デザイナーという職種にとってどんなに重要な技術であるか。仮にまだそういった技術が低ければ、手持ちの何かでカヴァーするしかない。そのためにも最後まで付き合えと。態度で示せと。

ぼうっと突っ立っているヤツを見て、何度もいいそうになった。

一方で楽しめなければ帰ればイイじゃんと、薄情な自分もそこにいる。だいたいカンが鈍いやつはどうしたってダメだし、外回りが向かないなら受注仕事を社内で無難にこなせばいいんでない?向いてないのに押し付けるんは気の毒だよ。体育会系でもあるまいし。なんて物分りが良すぎな声もある。


おれは、mebicに集うデザイナーの方や、印刷会社の方と、グラフィックや特色印刷、製版の細かいお話をしていると、本当に楽しい。まだ何度かしかお会いしたことのない方々が大半だが、故郷に帰って高校の同窓会にいるみたいだ。ある意味、それは正しいのかもしれない。高校の仲の良い友人は、たいていが大阪市内で商売人の息子が多かった。気性には通ずるものがあるのではないか。おれ自身のデザイナーのキャリアもグラフィックから始まっている。二重の意味で、そこはまぎれもなくおれの故郷なのだ。居心地が悪いわけがない。しかも、少し悲しいことに、自分の体に大阪の血が一滴も流れていないことから感じる「そこはかとない距離感・異邦人感」まで、懐かしくもあのころと同じだ。

だからなおさら、連れて行った若いヤツに、自分と同じようなことを求める気にはなれないのかもしれない。


でも、おれの昔の会社の師匠は、言いにくいことをずいぶん言ってくれた。そん時は腹もたったこともあったけど、おかげで今もこの商売で食えている。

「例え仕事に直接関係なさそうでも、職業人としてはたいていが先輩なわけだ。次からは、もうちょっと積極的に話しかけたり、ご挨拶くらいしてみろよ。」

明日それくらい言ってみるか。

この街のクリエイター博覧会2007
テーマ02「デザインとつくる現場」展

  • 今回のテーマは個人的にも、深い。ちゃんと書くにはもう1エントリー必要。
  • デザイナーは謙虚に現場の知に耳を傾け、先人の知恵を受け継いだ上で未来にチャレンジって言う感じかな。
  • 今回のテーマの展示はしばらくあるし、その後も、まだまだ面白そうな、テーマが4個も。時間の許す限り行きたいですね。