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technic創成期

#856がtechnicかというと、ちょっと違う気もする。確かにLUGNETではtechnicの項目に分類されている。だけどこの850番台の8セットは8000番台の本家シリーズとは雰囲気を別にしている。

今、#856のマニュアルを取り出して眺めていると、このマニュアルが少し変わっていることに気がつく。

表紙がこれ。#856の説明ではない。



裏表紙がこっち。前述の850番台のうち7セットが掲載されている。



そして、最初と最後のそれぞれ8ページは、複数のセットを組み合わせたアイデアブック*1になっている。


実際の#856の組み立て図は9ページから始まる。ページの端の黒と黄色のダンダラからもそれは明白。多分、想像なんだけど、外側の4枚16ページは、他のセットと共通だったんではないかな?こういった、従来商品からあまりにコンセプトが異なった新商品は誰からもなかなか理解されにくいし、遊び方の広がりを、LEGO社自身からうまく指し示そうとしていたのだと思う。そう考えるとこの#850番台は、来るtechnicの時代のさきがけだったのかも知れないね。(technicシリーズ自体、その後色々あって必ずしも「光当たる道」ばかりではなかったように感じてはいるが)

ひたひたさんのお座敷都市開発で#8275を見て思い出した#856だけど、どうもいつ買ったか思い出せない。確かにLUGNETでは1979年の発売になっている。でも、手元の79年の国内総合カタログには載ってないんだよね。前後3年のカタログをぱらぱら見たけど、850シリーズの掲載はない。あるのは形状が正方形から横長になった1982年のカタログの表紙に#854があるのみ。

多分だけど、昔は数年、長いときは5年近く同じセットがカタログに載っていたし、国内は本国に比べて新商品のリリースが遅かった気もするので、82年くらいに購入したのかな〜と思った。そうそう、これ、上級基本セットでもなかった。

#856は非常に良くできたセットで、実際のところ、初期のtechnicで実現できたことはほとんどできる。ぼくはギヤセットを買い足したので、これでずいぶん遊んだ。


オルタネイティブ*2が2つあったのも嬉しい思い出だ。(例によってそんなにすごくないけどね)ここら辺のパーツは今でも現役で使えるし、セットを組むのも悪くない。これ以前の#800シリーズはちょっときついけどね。だいたい、20世紀に購入したセットで箱を捨てずにとってあるのはわずかなのだ。

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※カタログを見ていたらもう少し資料が出てきた。こちらもよければどうぞ。

*1:LEGO社が昔良く発行していた、LEGOの組み立て方や出来上がり写真のみを収めた冊子。どんな種類があったかはこちらを参照。「インディアンの子供は説明書なんか読まない」と、ちくちく説明書を読んで作る現代っ子を揶揄する記述を呼んでげんなりした記憶があるが、自由に組み立てることはそんなに偉いのかな?とこの歳になって思う。アイデアブックは、LEGOが単にブロックを売っていただけではなくて、情報を売っていたことを証明している。そして、結局、ぼくはその情報を脳に刻み込むことが気持ち良かったのではないかと考える今日この頃だ。

*2:1つのセットに入っているパーツで、カートンに印刷されているメイン以外に組み立てが可能なビルド。メイン同様詳細な組み立て指示がつく場合もあるが、多くは組み立て済の写真が1枚、良くて2枚ある程度で、どうやってビルドするか考えることも楽しみだった。(もちろん、時間がたっぷりかかるけど)近年は、形状の特殊化が進んだブロック(用途が限定されやすい)が増えたこと(これをぼくは否定しない)、オルタネイティブを仕込むコスト削減(これにはがっかりだよ)等のためか、オルタネイティブを準備されないキットが増えたが、Designer Set(新時代の汎用パーツと豊富なオルタネイティブ)の出現に古くからのファンとして喝采した。Designer Setへの支持を表明するため、新商品はできる限り購入してます。