tQy

ホテルを間違えた

───1062番


フロントで鍵を受け取ろうとして、告げた番号は、珍しく自信があったのに、いつまでも鍵を手渡されない。不思議に思って考えると、このホテルは6階建てだ。鍵の番号はおそらく10階以上を示している。
あ。
そういえば昨日と違うホテルにチェックインしていたんだ。


振り返ってみると、先週もホテルを間違えた。
いずれも、ホテルのフロントまで何も考えずに到着していて、そこまでの途中、全く何も考えていない。
体は自動的にそこにぼくを連れてきた。
肉体とは不思議なものだ。