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東京工芸大学

二日目の23日(土)の午前中は、東京工芸大学の芸術学部卒業 大学院修了 制作展二○○八へ行きました。こちらは事前に情報はなかったのですが、六本木の地下鉄の駅の広告を見て行くことに決定。場所は六本木ヒルズの40階です。
六本木ヒルズはこないだウルトラマンの展覧会を観に行ったので、ビルからの入り口はすぐわかりましたが、初めてならちょっと迷ったかもしれません。直通エレベーターはちょっとわかりにくいよね。でも学生さんが角々でプラカードを持って立っています。これは結構わかりやすい。

東京工芸大学「芸術学部卒業 大学院修了 制作展二○○八」

開場の少し前に着いたので、入り口の近くで10分ほど待ちます。以前はうちの会社もヒルズにあったのですが、この階は壁の装飾が凝っていて、オフィスフロアーとは異なった印象。六本木ヒルズアカデミーの階の装飾もこことは違ったし、階ごとの性格を可視化することに労力を割いています。ぼくはヒルズのこういうところがスキなんだよなぁ。ミッドタウンに比べて。


ところで、中からは、
「お前は今朝までずっと無理していたんで、もう今日は帰れ!」
と、おそらく先生が生徒さんに告げています。おー!なんかそれっぽいなぁ〜。
昨日より、芸大風味が強い印象。


開場と同時に、アニメーション学科や映像学科を見ることにします。音楽ゲームの映像を制作している関係上、ここら辺は抑えておきたいので。
まずはアニメーション学科の上映会を見ます。さすがにヒルズは機器が行き届いているので、上映環境としては申し分ないです。実際の映像を見た印象はこれも上々。
少し磨けば明日からでも戦力になりそうな作品がけっこうあります。でも、みんな就職が決まっているんだよなぁ。中にはいつもお世話になっている委託先の制作会社に内定が決まっている子もいたりして。ちょっとびっくり。これは3回の研究経過発表会に、もっと通わなくちゃダメですね。


続いて、映像学科の上映会を見ます。短編のプログラムだったせいかもしれないのですが、アニメーション作品が多く、正直、アニメーション学科との違いがいまいちわからない。後で見たメディアアート表現学科でもムーヴィープレゼンテーションがあり、ちょっと複雑な気持ちになりました。
まぁそれだけ、映像制作環境が普及したということで、それ自体はとても良いことなんだけれど、使うツールが共通なのでできるものも似てきちゃった。ていうことにならないか心配です。ツールを充分に使いこなしたその次に、創造というか、オリジナリティがあると思うのです。そこを磨かないと、便利に会社に使い潰されちゃうぞ。と、余計な心配をしてみます。


あと、絵に比べ、音響にもう少し気を使って欲しいなぁと。歩きモーションとSEのタイミングがずれていたり、絵の切り替わりとBGMの小節の切り替わりがずれていたり、作品の最後のFOがブツッと切れていたり。声の録音時の背景ノイズが除去できていなかったりと、とにかく気になりました。ぼくが音楽ゲームを作っているせいもあるけど、1/30秒間、音と絵がずれていたら、即座に気になる人は結構いるのです。これは特殊なケースではないです。人間の脳は時間の流れに関して、聴覚に大きく依存しているという研究を以前読んだのを思い出しました。数分の映像作品なら、ちょっと良いヘッドフォンを買って、数時間タイミングチェックをするだけで確実によくなるだけに、とても惜しいですね。


インタフェースデザインということでは、メディアアート表現学科の水谷研究室に出会えたのは大きな収穫でした。ここは昨日の千葉工業大学と同じく、生徒が実装までできるのでとても頼もしい。聞くとウチの競合他社に内定が出ている子がいて、うんなるほどという印象。しっかりした子でした。触感やタンジブル系のインタフェースは、今の若い子には本当に真剣に取り組んでおいて欲しいと思います。日本のメーカーは、今後数十年、美的な高付加価値商品を開発するしか、外国からお金を稼ぐ手段はないので。もちろん、そういった若年熟練労働者が持てる力を存分に発揮できるステージを準備するのも、われわれ企業サイドの使命。


グラフィックや写真、イラストレーション専攻の発表も一通り見たら、あっという間に数時間が過ぎてしまいました。いずれ機会を見つけてキャンパスにも遊びにお伺いしたいものです。