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ときにはシナモンもいい

薬物なしでうつが治る

心理学で何がわかるか (ちくま新書)

心理学で何がわかるか (ちくま新書)

薬物なしでうつ病が治ると、抗うつ薬の必要性はなくなる。製薬会社の巨大資本は、そのような発表を抑圧してきた。
                  ───────心理学で何がわかるか(村上 宣寛)

先日の読売新聞でも、うつの症状の患者に対して、安易に医者が投薬をする状況が多いことに対して問題提起があった。そして、製薬会社のプロパガンダが医者の背中を優しく押していることも。


薬物なしでどうやって、うつが治るのか?
治るらしい。
どうやって?
ズバリ、運動するだけ。

身体運動は心身の健康を維持するために有効である。近年、科学的なエビデンスも蓄積してきた。運動を行えば、脳のさまざまな機能が高まるし、想像以上に大きな影響がある。若者では身体運動を行うと、反応時間が短くなるし、語彙学習も早くなる。高齢者にエアロビクス体操をさせると、情報処理速度が速くなる。運動を行うと、ニューロンが変化する。プラーフから運動の効果をまとめておこう。

  • ニューロンの新生が盛んになり、認知機能が改善される。哺乳動物では、嗅球と海馬の波上回でニューロンが再生することがわかっている。ネズミ実験では、運動するとニューロンの新生が三〜四倍になるし、効果が長く持続する。
  • シナプスの構造的変化が起こり、シナプスの可塑性が改善される。シナプスの伝導効果が数日以上にわたって上昇する長期増強現象が促進される。
  • ニューロンの突起の密度が上昇するし、新生したニューロンの成熟も早まる。

                  ───────心理学で何がわかるか(村上 宣寛)

えっ?そんな簡単な…
と、思うのだが、この後、1日30分程度の汗をかく程度の運動を、週に3日やった場合、5日やった場合、やらなかった場合を比較した実験の結果がこのあとのページで紹介されている。


世の中には製薬会社が長年研究を進めたおかげで、治療が可能になった病気もあるだろう。長期的な研究には長期的な投資が必要であり、それには経営の安定が必要。そして、定期的な投薬は経営上大変ありがたいの売り上げのベースになる。
それは、よーくわかるんだけど、私なら、副作用がある投薬療法と副作用がほとんどない運動療法なら、運動の方が絶対に選びたい。だいたい、「病が薬を作るのではなく、薬が病をつくる」なんて本を最近読んだばかりなのだ。

ヒューマンボディショップ

ヒューマンボディショップ

薬物なしで血圧を下げる

実際私自身、昨年の健康診断で高血圧が指摘され、ついにはこの春からアバプロという投薬治療をするまでになっていたんだけど、めまい・立ち眩みが酷い。なんとか投薬なしで血圧を下げるように試みている。


チャレンジポイントは以下の三点だ

  1. 睡眠時間
  2. 食事・水分摂取
  3. 運動

現在の平均睡眠時間はだいたい7〜7.5時間で、完全朝方に移行した。夜8時過ぎに寝ることに、激しい罪悪感があるが、4時に起きるには仕方のない計算だ。もちろん、毎日とはいかないが、睡眠時間が短いときでも必ず週に1度は8時間以上練るようにしている。
睡眠時間の短縮は魔法のランプ、打ち出の小槌だ。一日のタスクが終わらないとき。やりたいことがたくさんあるとき。時間が足りないとき。睡眠時間を削ることは私にとっても常套手段だった。じゃんじゃん削ればいい。時間がどんどん生まれる。
しかしそれは未来の時間を先取りして使っているに過ぎない。場合によっては〝払い戻しは地獄〟であることを忘れてはいけない。


食事はさらに3点ある。

  1. 栄養のバランス
  2. 規則正しい時間

まず、量は減らした。とにかく疲れると、食べてストレスを発散していたが、これをやめた。代わりに水分を採る量を増やした。水を飲む習慣が全くなかったが、会社に毎日3ℓのミネラルウォーターのペットボトルを持って行き、1〜2日で消費するように心がけている。
食事の内容も変えた。基本カップ麺や、コンビニの弁当は食べない。普通に考えれば、380円の弁当が〝まとも〟なわけがない。出先でもファストフードは避け、きちんとしたものを時間やお金がかかっても食べるようにする。丼モノ、カレー、麺類も原則はなしだ。これは大変寂しいことで、いまでも人が食べているとツライし悲しい。しかし、炭水化物の過剰摂取は相当良くないらしい。多彩な穀物と野菜中心に、特に良質な植物性たんぱく質を採るようにしている。
後は、食事の時間を、毎日ほぼ同じにする。特に不規則になる夕食は、遅れそうな場合はシリアルバーなどをほんの少し食べ、空腹状態にならないように調整する。


これで、体重は2ヶ月で10kg、血圧も20落ちた。


だいたい、若いときは食事を疎かにしがちだ。何か買いたいものがあって、給料がカツカツなとき、食費は一番削りやすい。私も1週間800円で暮らしたりしたこともある。しかしこれも、未来の自分の健康を前借していることを忘れてはいけない。食費を削ることは将来の体力を捨て去ることに繋がり、構造上覚醒剤とかわらない。〝払い戻しは地獄〟なのだ。


運動は一番難しい。まず、継続できない。それに時間がかかる。しかし、上記の本を読んで私は決心した。私はウォーキングを再開することにした。先週は毎朝40分歩いた。さすがに毎日はやりすぎで、週末はへとへとになった。体力がない。本の実験結果からも、週3日と週5日で有意の差はないということだったので、来週から3日で調整しようと思う。体力がつけば、もう少し色々できるだろう。
これは、継続が一番難しい。これから始まる梅雨はどうしたらいいのか。検討すべき問題だ。

徹夜は是か非か

徹夜は是か非か

10年以上前に、梅田の河童横丁の横を阪急梅田駅へ向かって歩きながら友人のSに問われた記憶がある。

徹夜は意味がない

そう断言したにもかかわらず、あれから幾度となく徹夜をした。悪癖こそ覚めやらぬものか。


クリエイティヴ職に伝わる慣わしに「神が降りて来る」という状態がある。何日も考えていて、考え抜いていると、突然アイデアが沸いてくる状態なんかがそうだ。手が自分のものでないように動き出して、後でどうやって作ったのかあまり憶えていないこともある。まさに神が降りてきたような気がする。
これは本来、何日も考えていて、考え抜いていると、という前駆部分が実は重要なのだが、これが長時間働いてハイになったときにすり替わり、さらに寝ないでがんばっているとそうなることがあるような気がしてに変わり、最後は徹夜をする、とイコールに変わる。やれやれ、確かにスケジュールが詰まっているときにはわらにもすがりたくなるしなぁ。


技術技能職の訓練には、長時間の反復作業が不可欠なのは事実だ。それが夜間にまで及ぶ労働に支えられた過去もあった。これからもあるだろう。しかし、徹夜は作業者の健康を損なうため、結果的に業務の効率も下がる。
振り返れば、健康を害しこの世界から去っていくものも多い。この世界で働く素質の条件に体力を一番にあげるのは、なにもあなただけじゃない。私だって、そうはいっても、やらなあかんときは徹夜でもなんでもするぜ、と思っていた。


しかし、20〜30代で自殺者が増えていること。原因にうつ病が多いこと。などを新聞などで見たりすると、もう根性論だけではダメだなと思うようになった。
そもそも、良いアイデアは継続した健康な頭脳の訓練から生み出される。健康な脳の状態をキープできないとまずい。


最近はシナモンが体に良いといわれ、シナモンが売り場から消える。シナモンは確かにいい香りで私も好きだ。こないだもミスタードーナッツで「クッキークルーラーシナモン」を食べた。忍にも食べさせてやりたい。
でも、そうじゃないだろう。きちんと寝て、ちゃんとしたものを規則正しく食べて、週に3回ぐらい30分は運動をする。そうしていれば、特にシナモンは必要ない。もちろん、コエンザイムもカルシウムもビタミン剤も必要ない。まぁ、その規則正しくができないんだよって、いうのをやめよう。


確かに、規則正しい生活は、ちょっと窮屈に思うときがある。朝起きて、ふと気がつく。夜寝るまでのスケジュールがびっしり決まっている。そんなときのあの息苦しさったらない。もっと自由を!そんな風に意味もなく叫んで家族の顰蹙を買ったりする。
そういうときは、いつもとちょっと違ったルールを適用してみたらいいのだろう。例えばシナモンティーを飲むとかネ。本来こういうのはその程度の遊びだったはずなんだよな。

●参考サイト

実際の治療現場の印象とはかけ離れているっていってもな〜www