言いだしっぺが、やるんだね
さて、決定したこのキャラクターを、お祭りの「のぼり」に使いたい。ついてはデザインをお願いしたい。ということになった。
今まで、のぼりはデザインしたことがない。けど、まぁ面白そうだしやってみることにした。
そして、入賞した児童の皆さんに、何か賞品をということになった。
「Tシャツとかはどうでしょうか?」
あーあ、言っちゃったよ、おれ。でも、Tシャツって、結構お金かかるし、去年もおまつりは収支がギリギリで、当然今年も予算がないの知ってるから、ムリかなー?って感じ。
でも、
「やりましょう」
ってことになりました。
「こういう機会がないと作らないしね」
ってことらしい。
で、当然、それも私がデザインすることになった。
「でも入賞者、全員Tシャツはちょっとね?何かもう少し安くて良いものはないでしょうか?」
「うーん。缶バッジとか携帯のストラップとかですかね」
と、まんま、こないだ仕事で発売したネタを適当に答えておく。
そうすると、一瞬その場の担当者の皆さんの夢がビッグバン級に広がり、WEBでいろいろ調べてみたところ、携帯ストラップの人形は、凄くカワイイものができそう!ってことだったのだが、数百のロットだと1個500円から千円近くするため、ビッグバンは急速に収束し、缶バッジになった。
私にとって、この時点で一番の問題は納期だった。もちろん、キャラクターをデザインする作業にも時間はかかる。が、幸いなことに9月は3連休がたくさんあった。勤務先の業務もそんなに忙しい時期ではない。まずは納期が問題だった。
一方、先方は私への支払いに不安そうにしていたので、「ボランティアなので」と先に言っておいた。こうした市民の地域活動はどこも予算的に厳しいのはよくわかっている。そりゃあ、デザインにはお金はかかるのが当然。ソフトウエアを軽視しがちな日本の風土について言いたいことは山ほどある。けどそういう話は言う相手が違うし、実際この人たちの労働力だってかなりの持ち出しなのだ。今回は私くらいがちょっとがんばればそれでいい。だいたい、今勤めている私の会社は副業は禁止なのだ。
人様のお財布で楽しくデザインをさせていただくくらいの気持ちで行こうと納得している。
さて、納期は間に合うのだろうか? 次回へ続く
●「タケくん」シリーズ
- 其の壱「選考をたのまれた」
- 其の弐「言いだしっぺが、やるんだね」
- 其の参「アイテムどんどん増える」
- 其の四「何でもできると思ったら大間違い」
- 其の五「お祭り当日」