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弐種之廃番

MINI COLOR


これ、懐かしいでしょう。
合計20色と、知らない間に蛍光色や金銀色まで使えてびっくりしていたら、何ともう廃番だそうです。すでにメーカーは生産を止めたそうなので、あとは市場在庫がなくなると同時に入手は基本不可能になるのでしょう。
サイクロイド曲線を描画する定規とか、昭和生まれのぼくらには懐かしい文具が色々ありました。そういうものが少しずつ消えていくのだとしたら寂しいことですね。スタビロの水彩鉛筆が国内から撤退したし、文房具&画材は厳しいご時世です。
海岸ビルヂングにある*Paty kobeで購入しました。


チリinFETA


オオオカさん曰く、「突然、生産を止めたと連絡があるのです。日本では市場性があるっていっても御構い無し」
上記では寂しいねとは言いましたが、一方でメーカーさんがあんまりマーケティング(もう少し正確に言うと流通や消費者のリクエスト)に頼りすぎるのはどうかと思うのです。


作り手として、「作りたいものを作る」というのは基本です。たとえ今、市場がなくても「これを作りたいんだ」という姿勢で成功してきた例は多々ありますよね。(アップルII プリウス などなど)いわゆるマーケットクリエーション。将来の世界を想像して「作らなくてはいけないと思うものを作る」イマジネイティブな行為です。


大型量販の発言力が強くなったり、PB商品や100円ショップ商品の台頭でそこらへんのフリーハンドがメーカーから失われていくのは残念。いやむしろ、創業者メンバーや第一世代が共有していた「作らなくてはいけない思い」が、なまじ大企業化し、社員のほとんどがサラリーマン化したことで、だんだんと薄まっていることに原因があるのでは?と思います。


やっぱり、長期的には小人数の徒弟性で工房を運営していくやり方がいいのかなぁ。


そんなことを考えていると、現行商品を自社の判断で止めるのは、ある意味心強いことのように思いました。ヨーロッパの老舗の持つしたたかさと言えばうがちすぎでしょうか。


サービスを始める際には、「どうやってサービスを止めるのか」を同時に考えることがはとても重要だと思います。もちろん、新しいことを始める際にそういうことを、どうどうと言うと場がしらけたりするで上手に言うようにはしていますが。


止めることで新しいことができる。そのフリーハンドをメーカーは手放してはいけないと思うのです。


そう思いながら、手元に残るスタビロの色鉛筆を使っています。ぼくは普段、色鉛筆をあんまり使わないので、生きている間は充分間に合いそうです。(といっていたら並行輸入している店をカミさんが見つけてくれた!)

●関連サイト

まだある。文具・学校編 (大空ポケット文庫)

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