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マインドストーム

マインドストームと聞くとLEGO社のMINDSTORMSを思い出す人は、このブログの読者には多いと思う。いや、どうかな。案外、原典をご存知の方が多いのかなとも思う。なにしろ、「なかのひと」のアクセスログを見る限り*1たぶん3割以上が教育機関からのアクセスなのだ。いずれにせよ、ぼくはその本を手に取ったときすぐには気がつかなかった。


その本は、意図せずにぼくの手にやって来た。
ひょんなことからMINDSTORMS RIS2.0入手したその日、ぼくは 神戸市図書館情報ネットワーク 蔵書検索システムを使って、マインドストームをキーワードにひっかかった本を全て借りてみたのだ。
本は2冊あった。「マインドストーム・プログラミング入門」そして、「マインドストーム」だ。


本の貸し出しが可能になったというメールは数日後には来た。早い。
実際、MINDSTORMS NXTが発売されて数年が経過する現在、10年前に発売されたRISに関してはもう全然盛り上がっていない。一時の盛り上がりを熱い羨望のまなざしで傍観者としてみていたからよくわかる。それは、大勢の人がやってきて、激しく燃え上がり、炎は燃料が少なくなるにつれ小さくなり、やがて大半の人が去っていった。
多分、今現役で使っていらっしゃるのはよっぽどの数寄者か、教育関係者だけなのではないだろうか。そう、いわゆる「枯れたハード」状態なのだ。


さて、「マインドストーム・プログラミング入門」と「マインドストーム」を図書館から借りてきた。「マインドストーム・プログラミング入門」は表紙に黄色いRISを中心に組まれた車のCG絵がある。ぱらぱらと見ると、モデルの作り方やスクリプト、それに回路図もある。なるほどセンサーを自作するらしい。よしよし。面白そうだ。



問題はもう一冊のほうだ。だいたい装丁が非常に古い。どう見ても10年以内に発行された本には見えない。
表紙の写真はふたりの子供がいて、何か得体の知れない機械で楽しそうに遊んでいる。右側の片方の丸い機械は透明なドーム型の中に何か回路が見える。もう片方の四角い機械はコントロールするパネルのようだ。うん。これは、LEGOではない。全くもってLEGOではない。


「子供、コンピューター、そして強力なアイデアと書いてあるサブタイトルを読む。素晴らしいコンセプトだ。今までのエントリーを読んでいただければわかるのだけど、そもそも子供にプログラミングを教えたくて、RISを入手したのだ。強力なアイデアというのも良い。アイデアから新しいことが生まれるというプロセスが好きだ。
確かにこの本はLEGOに関してのものじゃない。けどLEGOじゃなくても、何か役に立ちそうな本だと一見してわかる。


ページをめくる。著者近影がある。少しばかり古い写真だ。文字組はツメ気味で美しい。表紙では名前はS.パパートと略されていたが、ここではフルネームで書いてある。シーモア・パパート。そういう風に発音すると思う。どっかで聞いた気がするが、まだ思い出せない。


写真が印刷されたコート紙をめくる。裏には表紙と同じ子供たちとおそらくロボットの写真が再録されている。写真の下中央にはかすれた活字でキャプションが記されている。


Logo タートル


ロゴか!やっと気がついた。
なるほど、この本こそ、MINDSTORMSの命名の元になった本に違いない。

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●関連サイト


マインドストーム・プログラミング入門―LEGOでメカトロニクス/ロボティクスを学習する (COMPUTER TECHNOLOGY)

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マインドストーム―子供、コンピューター、そして強力なアイデア

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*1:わざわざOpenOfficeで表まで作った。やっぱりきちんと分析し、図にしないとわからないこともあるかと思って。